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テーマ「連載小説」の記事を新着順に表示しています。(4ページ目)

静かな面持ちを、ユノは変えなかった。「恥ずかしい。おかしな電話たった1本で─」ユノはチャンミンの涙を拭くような仕草で頬に、指先をそっと、当てた。「ユノ。僕って汚い」頬の手に自分の手を重ねながらチャンミンは「ひどい人間だよ。みんなユノのせいに ... » more

吹上随想飛騨柴(ひだしば) 序章
和犬に紀州犬、北海道犬(アイヌ犬)、甲斐犬、秋田犬、柴犬、四国犬(土佐犬)と現存するが、日本各地に土着の種が多くあった。美濃、飛騨にも原種は柴犬であろうが、飛騨柴と呼ばれた種が存在している。美濃柴は今も存在すると聞く。犬の交 ... » more
テーマ 連載小説

「お客様」後ろのドアがノックされ二人が、振り返ると、ホテルの総主任が「警察の方がお呼びです。もう一度お二方にお話を伺いたいそうです」…廊下に出る。「チャンミン。お前、俺に訊きたいことって…」小さくチャンミンは頭を振り「ユノ…それも、終わった ... » more

小さな人影がチラチラ動いている。「トラブルの多い奴だった」ユノの腕に巻かれた白い包帯。また1台、警察車両が到着した。赤いランプに急き立てられるように警官たちはテラスの真下に走る。「炊事場でリンゴ剥くからってナイフ借りれば、急に見境なく振り ... » more

「怪我してるんだ! ユノに何する─」起き上がって体当たりしたチャンミンの首に手を廻すと、そのまま廊下に引き摺り出そうとする。部屋の奥に向かって、飛んだナイフが、積み上げられた家具の太い脚に当たって、床を滑る。喉元を強く掴み取られ、チャンミン ... » more

「今度は─何です? また…自分の手は汚さない気ですか…」闇の中を無言でユノが近寄って来た。…手探りでチャンミンの手を握ってくる。濡れた感触だった。─大雨の中にいる時のような血の匂い。「チャンミン」押し殺した声。室内はまだ、暗い。「灯り、─点 ... » more

控え室に当てられた一室には、奥まった場所に、椅子や小さな卓、低い棚などが雑然と並んでいて、改装中の旧いホテルの一部屋らしかった。 目の前に造り付けの縦長の鏡があり、その前に置かれたテーブルの上に、次の衣裳が、あった。「ここ、続き部屋らしい… ... » more

ガラスのテラス。闇に浮かぶようなセット。…肩を並べるふたり。ユノが冷ややかな目をチャンミンに移して何か云う─。チャンミンは全く動じない。自分の目の前に広がる鮮やかなソウルの街の夜の煌めきに魅せられている。 …─誰もが息をのんで、無言劇の ... » more

現場で渡されたシナリオを頭に入れるのに夢中になっていると、爽やかなジャスミンの香りがする。顔を上げる。「チャンミン…」ガンヒが笑い掛ける。「従姉さん」笑顔で頷き「大変ね。さっき渡されたんでしょう?」シナリオを覗き込む。「…ジフン兄さん降板で ... » more

吹上随想蘖・・・ひこばえ その5
「お待ちしておりました。弁護士の梶田葵です」「鏑木です。実は今日伺ったのは、弁護の件お断りしようと思いまして」「弁護を私に依頼されたのはお姉さまです。何か事情がありそうだとおっしゃって」「姉でしたか、困ったなー僕は痴漢なんですし ... » more

遠慮がちのノックの音がしてユノが入って来る。目を瞑って、横をチャンミンは向く。 「汗出てるね」サイド・テーブルに小さいトレーを置く。「体温計…持って来たけど、面倒か」チャンミンは黙っていた。…同じ部屋にユノといるのが、苛立たしい。早 ... » more

自分を射るような視線に気付かないのか、手で軽くチャンミンの髪に触れ「混み入った話みたいだ。お前も色々と疲れたろ…?明日にしよう」何か云いかける様子のチャンミンの肩を掌で包むとそのまま、腕に沿って、ゆっくりと下ろす。「チャンミン…」柔らかな髪 ... » more

吹上随想蘖・・・ひこばえ その4 
私が仮に小説家で、何故小説を書くのかと尋ねられれば、「真実を捜す」のだと答える。フィクションの裡に真実は在ると思っている。ノンフィクション、ドキュメントの裡に果たして、真実は在るのだろうか。新聞、テレビニュースの中に果たして、真 ... » more

『チャンミン─』スマホの向こうの声は懐かしい響き。『チャンミン、気をつけて欲しいの。心配だわ』(従姉さん─)『警察にも話したけど、あの時、急に脚触られて。ジフンさんも何かに足元を押されたみたいで…』(兄さん…が誰かに?)『もうすぐ現場に私ま ... » more

背中をベランダの柵に押し当てる。闇の下界を深紅の車が通りを行く。サラサラと乾いた砂の零れるようなタイヤ音…アスファルトは濡れた光。 (兄さん)─ジフンは入院、ドラマ‘夜市-イエシ’は降板。ガンヒは暫く休養するという─。 (チャンミン ... » more

吹上随想蘖・・・ひこばえ その3
鏑木は名と顔が知れた著名人で、大学の講師をしている。事件はすぐに週刊誌ネタにスッパ抜かれた。事件発覚後、生徒にからかわれている。「先生、わたしにも痴漢して」といって女子学生などは、口を尖らせてキスの真似をして冷やかす。鏑 ... » more

吹上随想蘖・・・ひこばえ  その2
「では、キスは、まったくの赤の他人で、初めて会う人にキスされるのは、姑息で卑劣は痴漢行為ではないと、言い包めていらっしゃるのでしょうか」「そのようなことは・・・私は言われる通り痴漢です」「では、お認めになられるのですね、ではですよ、 ... » more

吹上随想蘖・・・ひこばえ その1
井上水主(かこ)が、午前9時2分発の電車に乗ったのは久し振りのことだった。鍛冶屋町のアトリエに向うのが日課だが、この日は馬喰町の問屋に仕上がったばかりの、かんざし六本を納めに行くのだった。電車は通勤時間帯を過ぎたであろうと思われ ... » more

ジフンとガンヒがホールの中二階のようなセットで、演出家の最終チェックを受けている。 (…チャンミン。気をつけて。─衣装箪笥の扉が、照明が落ちたのも、事故じゃない。だから、気をつけて─)頭の中でジフンの声がぐるぐる回っていた。見上げたセッ ... » more

お疲れ様!OKです…─ スタッフの声が響くと、チャニョルとタオがほうっと同時にため息を吐いた。黒いベル・ボーイの制服姿のふたりに拍手をしながらジフンは「緊張してたんだね…」労いの言葉をかけた。ふたりの顔が紅くなる。「あ、─有り難う、ございま ... » more

吹上随想分水嶺  19
「あなたにお会いするまで、色々な暴言を頭の中に紡いでおりました。人の夫を取らないで・・・、泥棒猫、何を言ってやろうかと、本当にいろいろ・・・髪振り乱して、一生の醜態を曝してみようと考えてまいりました」「父の形見の李朝青磁の小壷を取り ... » more
テーマ 連載小説

吹上随想分水嶺  18
電話だった。「澤田だ。馬鹿もん、何があった」澤田医師は士郎の幼なじみだった。「不倫をした代償だ、すまん・・」「すまんは、奥さんに云うことだろう、後で医院に寄ってくれ、処方を書いておく」「すまんなー」「また、すまんか、 ... » more
テーマ 連載小説

吹上随想分水嶺  17
海晴の身体が食べた物を受け付けなくなった。食事は三口ほどで満腹感を訴え、二十分後には嘔吐した。士郎が医者に連れてゆくと、強いストレスで十二指腸の幽門が閉じてしまっていると、レントゲンの結果を医者は説明した。そして極度の鬱状態に海晴は ... » more
テーマ 連載小説

「…兄さん」「ミハル」デュポンとミハル兄弟が睨み合う。「兄さんがそんな顔するって初めてだね」「…ミハル、…─」いきなりミハルを殴りつける兄のデュポン。「…兄─さん…?!─」床にふっ飛ばされ、唖然とデュポンを見上げるミハル。「ミハル、お前は俺 ... » more

────………─(─ア、兄…さん、──あ……ダメ、─です…そこ…は─…)ベッドから身を起こす─外から薄明るい光が、少しだけ部屋の中を、照らす。チャンミンは何かに追われるかのように素早く辺りを見渡す。…兄さんの、ジフンの夢…兄さんを、止め ... » more

「ユノ帰っちゃったから…ミハルお前そこ座れよ」どっしりした衣装箪笥が相変わらず部屋を暗くし、威圧感さえある場所。ジフンとふたりで過ごすのにチャンミンは部屋の暗さも心地良かった。「兄さんこそ、真ん中で…どうぞ」ジフンはユノの為に空けた席にか ... » more

ジフンの顔を見上げたユノに「片方だけど、あげるよ、その銀に合うピアス─」問いかける瞳のユノに「片方失くしちゃったピアスで…その髪と合うのあるから。次の時に持ってくるよ」ぎこちなくユノは笑い「じゃ、─楽しみにしてます」「─ユノ」若いアシスタン ... » more

両手を打ち付けるような仕草のヤン監督が入って来た。急に、広いホールが、狭く感じられる。 大柄のヤン監督は、ジフンと向き合うユノを見つけると「握手─」二人の手を取り、自分も大きい手を重ねた。「もう握手も挨拶もしました」すました顔で、ジ ... » more

「本職の人の前で、─照れるけど」作り物のように形の良い指を、ジフンは鍵盤に、のせる。ガンヒが贈った指輪が古びたピアノの鍵盤の上で輝く。「ホテルもピアノも古いですね」隣に座るチャンミンはジフンの横顔に云った。「兄さん、何弾きます?」黙って口元 ... » more

吹上随想分水嶺  1
尾根を境に、最初の水の一滴は流れを分かち大河となる、その流れは決して交わることはない 分水嶺航空機事故の棺が並ぶ体育館の片隅に、高石海晴は佇んでいた。泣くこともなく、菊花を片手に海晴は佇んでいた。「失礼で ... » more
テーマ 連載小説

 

最終更新日: 2016/11/21 22:45

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