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テーマ「連載小説」の記事を新着順に表示しています。(3ページ目)

「そう若いわけでありません。そのぶん、経験もあるし…妙な恥らいもしません」目元に微笑いを浮かべ「それに…私もかわいがったし、仕込んだ私をよろこばせようとする─可愛気がありますよ」年がいもなく顔を赤くする男二人。…チャンミンは何の色も顔にの ... » more

…再び、二人組は黙ってしまう。ユノは紫煙を吐く… 「拾い上げた野良の仔猫が、思いがけなく虎に育ってしまった」小さく、笑う…。「そうなると、餌代も嵩む…檻も大きくしなければ─ね」「それでお二人で独立を」葉巻の煙がしみるのか、小肥りの方が目を ... » more

父は柊の花が好きだった。金木犀ほど匂いは強くなく、白い小さな花は通り過ぎゆく人を見返りさすに事足りて、淡く香る上品の匂いと父は言った。金木犀は九十里と二つ名を持つほど、香り猛しくも下品と父は斬ってしまった。私も、柊の白い小さな花 ... » more
テーマ 連載小説

吹上随想移り香 かくも濃く残りしか
父を亡くして、二十年になります。私はまだ亡父の影を追っているのです。夜の踏切に遮断機が降り、シャンカシャンカと赤い信号機が点滅する音と色と、暗がりの向こうの黒い海とが溶け合って、私は怖かった。父の腰に両手をまわしてしがみ付い ... » more
テーマ 連載小説

まるで部屋の中は、落ち葉の舞う黒く深い森の中にいる気分にさせる。…漂う紫煙が、先刻から枯れ葉の匂いを立ち込めさせているのだ。 「どうされました? 」…葉巻を口から離し、僅かに眉を寄せて、尋ねたがどこか、面白がる響きがあった。向かい合 ... » more

─翌早朝…。ふたりは、ドルジェとコテージに別れを告げ、ソウルへ帰路についた。…帰りはヘリコプターの替わりに、黒服の運転手の走らす白いリムジン型の車だった。飛行場まで、海岸沿いを数時間、走った。 ─車に乗り込む前、嵐の夜に突風に部屋が揺れ ... » more

「ご主人さまと私と。それきりでは重すぎる話でございます。どなたかにも背負っていただかないと─辛すぎる、思い出なのです」─ホールの次の間に、吸い込まれるようにドルジェは消える。 …夜の香りにのって何処からか海風がやって来て─ふたりは足元 ... » more

ドルジェの瞳は一瞬、大きく開かれ、輝く─。「最後…」ユノの呟きに、深くドルジェはうなずいた。「コテージもすっかり古くなりました」─指し示されたカーテンは、張りを失って垂れ下がる…「明日、お客様方がお発ちになりましたら…私ども、ここを引き払い ... » more

……「それ…スラッシュも見ていたの─?」静かに、目を伏せたまま、ドルジェは首を振った。「ご信じにならなかったご主人さまは、私どもを詰られました」傍らに小さい手で、銀のワゴンを引き寄せる。「おひとりで、海に…」ワゴンには香菜と蒸し鶏のゼリーの ... » more

「あの方は…坊っちゃま─ご主人さまの、大切な方でございました…」─その夜。ふたりにコテージでの最後の晩の食事を出しながら、ドルジェが話す─「…或る年の夏の終わり、─急におっしゃっられたのです。…海からこのコテージを見たいと─」…スラッシュは ... » more

「…チャンミン」スラッシュの姿に気づかずに、ユノは自分の腕を差し上げ、見せ、笑う。「ほら。割れてる…」銀のブレスレットの中央、時計の文字盤はヒビが、入っている。「あ…、折角の時計なのに」「俺あの時すごい力で、引っ張られて…」海にチラッと ... » more

─白い波が泡に変わり、脚を洗って行く…。─ふたりはお互い擬っと黙ったまま沖を、水平線の果てを見ていた。 ─昨夜…日が落ちてから、また霧が海からやって来て─前の日の夜、嵐の直前に海から来たびしょ濡れの若い女がまた、コテージの前に現れた ... » more

呆然と窓から、海岸を見下ろすふたりが更に仰天したのが、コテージの死角に消えた濡れネズミの若い女に、追い縋る格好のふたつの、黒い影が、暗い海面から湧き出たことだった。影たちは海の向こうからの、霧に紛れて長い髪の女の、すぐ後を走り辿る。…チャン ... » more

(海水が生ぬるい─)海からの風が、重い午後、(嵐、になるかな…)空の、深い怒りを込めた色と動きに、追い立てられたようにふたりは、コテージに入った。もう遅い夜になったのだろう。ラワン材の大きな楕円の、敷物に寝そべったふたりは開け放した扉の窓か ... » more

─夜の海は、思うより、明るい。…波の音は耳に、昼間より大きい。 「やっぱり、…お前─」ユノの言葉が途切れる。「…わかった、よ…」─夜の中でも、ユノが微笑ったのが、チャンミンに分かった。…砂を掬う仕草、潮の香りがきつい。「重いって、こと… ... » more

「何見てたんです」冷えたグラスに、唇をつけ、聞く。「昨日のさ、…気になって」ビールを注ぎ足し、答える。「それらしいの…見えました?」フッと唇に笑みを浮かべて「見てはいたんだけどね─」沖合いの入道雲が、近くに来て─空の高みから陰がさす…。それ ... » more

コテージの角を曲がると、サン・デッキに出る。─上半身を海風に晒しながら、ユノはドルジェに何か話している。椅子の高い背もたれに、体をゆだね、小柄な背丈を更に屈めたドルジェを、見上げた横顔が若い王の表情だった。一礼したドルジェが側から離れると、 ... » more

何げなく、顔を上げてチャンミンは、目を見張る。─沖でキラリとした。船かヨットなのか…動きがうねる波そのままで─「ねッ…ユノ、ユノ起きて」裸の肩を、揺さぶる。ようやく、薄目を開け、砂に顎をのせる。「生きてる─アレ…」半透明な白っぽい巨体が ... » more

チャンミンは濡れたユノの服を手に取り、もう一度絞ると、広げて、一枚一枚、岩に並べる。「キャッ…」視線に気づき、厚い胸板を両手で、隠す。「ユノの裸は今さらです」「アラ?…私、人魚姫よ」寝転び身を捩った。椰子の太い幹に片手をついているチャンミン ... » more

─コアラの格好で椰子にしがみつく。「…あぁっ?─」すっとんきょうな声が、やがて、上から降って来る。「…おっ…スゲェ─」ため息までつく。「巨乳、ウ〜ン爆乳だね!」チャンミンを見下ろし「あっちさ…金髪で、こっち見てる。お前も早くはやく」「何が ... » more

ユノは脚元に絡みつく、パウダーのような砂を蹴る。サンダルを、濡らそうとする海水をチャンミンは、優雅にかわす。「本名かな。─スラッシュって」「ミスター・スラッシュ。呼び名でしょう」─朝の潮の香りは、体の全てを、洗ってくれる。「…スマホも、帰り ... » more

うっそりと部屋に現れた小柄な人物がうやうやしく、頭を垂れる。「あの僕ケガしてません」「服に血がついてるじゃないか」笑ってユノは「これは錆びです。座ってついたんです」 小柄な人物が静かに顔をあげる。その表情のない顔にスラッシュと名乗った男は顎 ... » more

脳まで、貫く鈍い疼きに、呻き、身体を立て直そうとすると、辺りをキョロキョロ見回すユノが、いた。「やぁ─」軽く片手を、ユノは挙げる。しなやかな身ごなしで、白いソファーベッドから、下り「大丈夫か」チャンミンを見つめる。「ユノ。…ユノだって─」自 ... » more

轟音と振動に自分たちも、揺さぶられる気がする。 それは薄い黄色で、まるで、月の一片が、欠け落ちたに見えた。 「…地獄の黙示録、みたいだ─」ヘリコプターは速度を落とす。「─何…?」ヘリの下から揺れたロープが降り─真っ黒な、人間らしいも ... » more

拳で口元を、ぬぐって「チャンミンお前─」背中に小さな顔を近づけて「血、出てる…」背筋に沿ったなだらかな筋肉の辺りを、心配そうに覗き見る─「錆びが付いただけ、平気です」少し長めの前髪をかき上げたチャンミンは小さく微笑う─。「傷かと思った」ホッ ... » more

「ここ…来いよ」階段に座って呼ぶ。─夏の真昼なのに、薄い暗さの中、階段もよく見えなかった。「蜘蛛の巣が張ってる─誰も入らないみたいですよ」足元がザリザリ云う。「でもあそこ、窓あるな」─丸い形の満月を思わせる、高い窓。入り口から少し離れて2台 ... » more

「もう退院でしょう? 復帰もすぐですね」ジフンも笑って「そう、レラに大事にされたから…ね」答えた。「ヤン監督ね、第2部もうシナリオに入ってるかも…」ジフンは顔を綻ばす。「─第2部ねぇ、今度は良くしたいな」…無邪気な瞳でチャンミンとユノ、両方 ... » more

「彼は…短気過ぎた」チャンミンは河面を見た。明けはじめた空は薄い灰色をした雲を載せ、水面上と空の境目は、レモンの色に染まる。「ユノ」視線をチャンミンから自分の側に立つユノに当て「レラが何でも面倒見てくれて、ここ完全看護だけど、ナース以上なん ... » more

─ジフンの顔を見つめていたチャンミンは、ユノの横顔に目を移した。ユノの目から涙がジフンの長い指が置かれた、白いシーツの上に落ちる。「ユノ、力になれなくて─僕に、頼んでくれたのに。…力が足らなかった」 チャンミンに向き「脅迫状は中身はシム・チ ... » more

淡い明るさの小さな部屋。丸いテーブルに可愛らしいポピーが、飾られてあった。後ろのドアが開くと「来たか─」レラが立っていた。「ジフン兄さん─どうです?」チャンミンの肩に手をやり「落ち着いてるよ。様子見てくる」病室に入って行った。…部屋の小さな ... » more

 

最終更新日: 2016/11/21 22:45

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