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純文学

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テーマ「純文学」の記事を新着順に表示しています。(2ページ目)

老猿 安彦手切式(1)
父の作五郎が、世間的には彼の妾と呼ばれていた薫と手切式をしたのは、私が小学校二年の頃である。太平洋戦争が始まった翌年の春で、日本海沿いの北陸の小さな町には、まだ戦争の緊迫感はなかった。壮年時代、職業軍人として樺太から九州まで全国の師団を ... » more
テーマ 純文学 小説 手切式

老猿 安彦けものみち(最終話)
竜平は心身の酔いがいちどに躰の隅まで染み込んでいくのを感じた。木の芽峠の言奈地蔵が浮かんできた。空海が石仏を刻んで言おうとしたことは何であったのか。後世に作られたあの馬子の因果話だけではあるまい。言うなとは何を言うなというのか。おそらく ... » more

老猿 安彦けものみち(21)
考えてみれば、祖父も父もまさにけものみちを歩いた一生かも知れない。健藏は新潟の山村から、家出同様に村を出た。日露戦争開戦の年で、戦争を当て込んで軍人を志望した。戦争はすぐ終わったが、同僚も舌を巻くような刻苦勉励で、多くの俊秀を蹴落として陸軍 ... » more

老猿 安彦けものみち(20)
竜平は、北陸トンネルの開通で廃線になった跡はどうなっているのか、とマスターに訊いた。「使っていますよ」はじめて右隣りの電器店の主人が口を開いた。「道路としてね」「でも、単線の頃の物ですから、実際は狭くて使えないんです」カ ... » more

老猿 安彦けものみち(19)
隣りの老人が声をかけてきた。元は今庄駅勤務の鉄道員だったと言った。「昔の今庄はこんなもんじゃなかったンですよ」しみじみした口調になった。「私の子供の頃は、旅館が十軒、一杯呑み屋が二十軒、女郎屋が二軒あった」「たいへんなもンで ... » more

老猿 安彦けものみち(18)
竜平は間口の狭い居酒屋へはいった。縄暖簾と赤提灯が時代物の映画を見るような風情があった。中は古板を張った板壁で、畳敷きの前にカウンターがあり、そこは足が下ろせるようになっていた。カウンターの中には、中年の髭の剃りあとの青々したマスターが白い ... » more

老猿 安彦けものみち(17)
茶屋の前に戻ると、先程の山並みには薄く靄がかかって夕暮れの気配が漂っていた。周囲の山林が少しづつ紫色に染まっていた。竜平は、予約をしておいた車を待ちながら今夜は今庄で泊まろうと思った。今庄から、二十分汽車に乗ればT市に着く。しかし、 ... » more

老猿 安彦けものみち(16)
村の端れの林間歩道入口から峠を登り始めた。山中に切り開かれた歩道で緩やかな崖道であった。山林の道は秋の気配も深く、あちこちの梢から百舌鳥やヒヨドリの声が聞こえた。自然の中に放り出されたような気持ちのいい山道だった。刷いたような雲が森の上をゆ ... » more

老猿 安彦けものみち(15)
竜平が所属する考古学会の総会が敦賀温泉で開催するという通知があった時、竜平は久し振りで故郷へ帰ってみようかと思った。父が遭難した木の芽峠の真下を貫通して「北陸トンネル」が開通してから四年経っていた。敦賀温泉はトンネル掘削の副産物とし ... » more

老猿 安彦けものみち(14)
喜代は竜平の顔をしみじみと見た。「竜平さん」と喜代が呼んだ。「はい」と竜平は応えた。喜代が生涯ではじめて呼んだ孫の名前であった。また「竜平さん」と呼んだ。竜平もまた「はい」と応えた。喜代は溢れるような涙をハン ... » more

老猿 安彦けものみち(13)
喜代は丁寧にその紐をほどいた。その中には、数枚の写真と古びた一枚の新聞としみのついた証書が入っていた。「これを、あなたにお渡しするために、今日来て頂きました」と喜代は言った。竜平が写真を手に取ってみると、それは賢策の肖像写真であ ... » more

老猿 安彦けものみち(12)
それから五年後、竜平はもう一度喜代に会ったことがある。竜平が大学三年の夏季休暇で帰省していた時である。帰京が近づいたある日、祖母の美尾が喜代に会ってくるようにと言った。喜代から連絡があり、竜平に手渡すものを預かっているので、取りに来 ... » more

老猿 安彦けものみち(11)
竜平は台風の後のような木片や船板が打上げられている波打ち際を歩いて、また集落の方へ戻っていった。少し村の中を歩いてみるつもりで、鄙びた軒並み奥路地をぶらついていると、急に様子が一変した。落ち着いた薄黄の土塀に囲まれた大邸宅が忽然として現 ... » more

老猿 安彦けものみち(10)
四人の履物をぬぐと、いっぱいになりそうな土間があった。焦げ茶色の横板一枚の框から上にあがった。二間の部屋には拭きこんだあんぺらが敷かれ、窓には簾がかかっていた。部屋の隅に変色した古風な整理箪笥がひとつ置かれていた。どこからともなく涼しい ... » more

老猿 安彦けものみち(9)
その年の夏、竜平は女学校を卒業した姉の千恵と一緒に喜代を訪ねた。祖母の美尾の慫慂によった。千恵には、東京の遠縁から縁談もあって、それが美尾の配慮になった。一日に数本しかないK浦行きのバスは、武生盆地の平坦な道が終わると、やがて山峡の道に ... » more

老猿 安彦けものみち(8)
葬儀は妻の実家で行われた。その日は、何日も続いた降雪が嘘のように霽れ上がった晴天であった。健藏の女婿の突然の死で、思いがけないほどの多くの会葬者が集まった。近所の人や雪道の中を遠方の知人まで来ていた。賢策の実家からは、実父の良作と甥 ... » more

老猿 安彦けものみち(7)
スチームが止まってからもう五時間にもなる。車内はいちだんと冷えてきている。なにかひどく寒い。足元から冷気が上がってきて震えがとまらない。額に手をやると燃えるように熱っぽかった。賢策は思わず白く氷結した窓ガラスに額をつけた。窓外が薄墨色に ... » more

老猿 安彦けものみち(6)
後年、賢策が内務省に入省した時、羽織袴で威儀を正して、真っ先に真田家に報告に行ったが、当主は賢策に極めて儀礼的な祝辞を述べただけで、予期せぬ冷淡な扱いを受けた。かつて賢策に辛く当たった祖母はすでに亡く、御寮人さんも子息も顔を見せなかった。 ... » more

老猿 安彦けものみち(5)
家庭教師の靴磨きも賢策の役目となった。万一賢策が家庭教師の帰宅に間に合わせて靴を磨いてないと、祖母はすぐに賢策を呼び寄せて厳しく叱った。「先生、ちょっとお待ちやす。そのソファに座っていておくれやす。いますぐ小僧に磨かせますから」 ... » more

老猿 安彦けものみち(4)
小学校の五年生の時に、真田家の奥使いの小僧になった。お店は横堀川に面した船場にあって、間口三十間の大店であった。鰊や昆布などの海産物から米や畳表まで取扱っていた。使用人は番頭から丁稚まで三百人はいて、一日中集散の荷車が出入りしていた。 ... » more

老猿 安彦けものみち(3)
その年の北陸地方は例年になく冬が早かった。賢策は年内に妻子を妻の実家に送り、年が明けてから故郷に向かった。東海道線を米原で北陸線に乗り換えると、予想していた以上の豪雪であった。伊吹山の山裾は霏霏とした雪で前方が見えなかった。そこから ... » more

老猿 安彦けものみち(2)
そのことが、地元の地方紙の一面に写真入りで報じられると、一人娘の婿を物色していた竜平の祖父は、北陸出身の政友会幹事長西脇丈太郎を介して縁談を申し入れた。祖父の健藏は、少壮の頃より将来を嘱望された職業軍人であった。郷党の先輩のひきもあって ... » more

老猿 安彦けものみち(1)
北陸のT市は福井県の武生盆地のほぼ中央部ににある。街の郊外を南北に北国街道が貫き、新潟県の直江津で中仙道に合する。人口約七万。奈良時代から越前の国府とされた古い街で、市街には多くの寺社や国分寺の跡などもあった。街の西には、広い河原を ... » more

老猿 安彦影絵
奈緒は一八才で結婚し、二一才で寡婦になった。奈緒は一人娘であったが、女学校を出た年に、職業軍人の佐官であった父親兼造の意向で、当時、将来を嘱望された内務官僚の吉岡に嫁いだ。しかし、兼造が夢見た目論見は、たった三年であえなく潰れた。女婿の ... » more
テーマ 影絵 純文学 小説

老猿 安彦妻の値打ち
武蔵野市西郊外にあるH署勤務の警部補野中俊造が、妻志津緒の恋愛問題を知ったのは偶然の事柄からである。例年のことだが、その年の五月のゴールデン・ウイークにも多くの青年たちが山に登り、幾人かの青年が遭難した。その中の、事故死した一人の青年の ... » more
テーマ 妻の値打ち 純文学 小説

老猿 安彦花札師
私はやくざの幹部というものに興味を持っていた。やくざの幹部は、大抵表面は甚だいんぎんで腰の低いものである。どうしてそうなのか私には分からないが、幹部になるような人物は本来そういうものなのか、或は幹部ともなればという、一般市民に対する印象が計 ... » more
テーマ 花札師 純文学 小説

半熟たまごの本読み雑記『乙女の密告』
『乙女の密告』 第143回芥川賞受賞作。舞台は、京都の外国語大学。主人公・みか子は、ドイツ語学科の2年生です。女子学生ばかりのスピーチゼミに所属し、スピーチコンテストに出るために、課題文 ... » more

涼子あるいは……プロローグ
私が最も愛し、最も憎んだ涼子が死んだ。街で一番の美女だった。圧倒的な存在感と夢まぼろしのような空虚さを併せ持つ、まことに不思議な女性だった。存在の充実と虚無のはかなさが回転するコインの表と裏のように入れ替わって、私にめまいを起こさせ ... » more

「揩スしアナベル・リイ総毛立ちつ身まかりつ」 大江健三郎著(新潮社) 大江健三郎氏の2007年11月に刊行された最新小説です。まず本の題名からして度肝を抜かれます。アナベル・リイとは、エドガー・アラン・ポーの詩のなかに出てくる永遠の美少女とのことです。この作品では、「ミヒャエル・コールハースの運命」という本を ... » more

半熟たまごの本読み雑記『ばかもの』
『ばかもの』 絲山秋子『ばかもの』(新潮社)を読みました。主人公はヒデこと大須秀成。物語は彼の側から、彼の人生を中心に、彼と恋人の額子(がくこ)との関係を交えながら描いていきます。物語の始まり。ヒデは、ごくごく普通の19歳の大学生で、 ... » more

 

最終更新日: 2016/11/20 14:52

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