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初恋

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テーマ「初恋」の記事を新着順に表示しています。(2ページ目)

  裏街  阿部 尚裏街72
裏街72 72僕は何故鈴懸けの葉が散らなかったかその訳を知っている。簡単な事だ。看護婦さんから最後の一葉の話を聞いた時に僕はちょっとした悪戯を思いついたのだ。其れは鈴懸けの木の葉を糸で木の枝に結んでおく事だった。そうすれば木の葉が落ちる事は無 ... » more

  裏街  阿部 尚裏街69
69アパートを解約して荷物を整理したと報告があってからというもの面影のママはあたしのところに来なくなった。あたしは見捨てられたと思っていた。確かに半身不随の女などバーの女給に迎えられる訳は無く今となってはママにとってあたしはただの厄 ... » more

  裏街  阿部 尚裏街68
68リハビリは思いの外に厳しく辛くあたしは何度も弱音を吐いた。自由にならない右半身は他人の体のようだった。ともすると右の方にはあたし以外の人が住みついているように感じる事があった。早く他人を追いやってあたしの思いのままに動かしたかっ ... » more
テーマ 初恋 嫉妬

  裏街  阿部 尚裏街67
67山川先生はあたしに直ぐにでもリハビリを開始する必要があると力説した。筋肉が萎縮する前に体を動かさなければ歩く事も出来なくなってしまうよと言ってあたしを無理にでも立たせようとした。しかしあたしにはその気力が無く、もういいのと駄々を ... » more
テーマ 不倫 初恋 愛憎

  裏街  阿部 尚裏街66
66病院のベットで目覚めた時あたしは自分の右手と右足が動かない事に気付いていた。あたしは知らない振りをしていたが止め処なく涙が流れ落ちるのを抑える事も出来なかった。感覚の無い右目からも涙は流れ落ちて枕をぬらしていた。医師は気の毒そう ... » more
テーマ 初恋 嫉妬

  裏街  阿部 尚裏街65
65誰か名前も知らない男とラブホテルに行った時の事だった。あたしはかなり酔っていて自分の体でも自由にならないくらいだった。足取りも怪しくタクシーを降りた時から転んで膝を擦りむいた。名も知らぬ男に抱き起こされて其の侭ホテルの部屋に連れ ... » more

  裏街  阿部 尚裏街61
61鈴木五郎は料亭小春の一室にうな垂れて正座していた。あたしと香織それに小春の女将に囲まれて消え入りそうなほど小さくなっていた。出入り口には屈強な男二人が鎮座していて五郎が逃げ出さないように見張っていた。男達はあくまでも無言で腕組み ... » more
テーマ あこがれ 初恋

  裏街  阿部 尚裏街60
60小春の女将は一通の封書を持って現れた。気の重い様子だった。「これが鈴木五郎さんと交わした契約書です。此処に鈴木さんの住所が書いてありますよ」女将が見せた契約書から香織は住所を写し取っていた。「私も迂闊だったけどあの先 ... » more

  裏街  阿部 尚裏街58
58冬も最中になると身も心も寒くなり一人で暮らす事の寂しさを思い切り知らされる。夜遅くアパートに帰り鍵を開けて入る自分の部屋が他人の部屋のような気がしてくる。電灯をつけてガスストーブに点火するとやっと自分の部屋だと実感するのだが其れ ... » more

  裏街  阿部 尚裏街57
57 あかりに五郎が来た時お店は結構混んでいた。夜も遅く一番込み合う時間だったからあたしは他のお客についていて中々離れられずに居た。二人の客の間に居て話が途切れず一人の客があたしの手をしっかりと握っていて放してくれないのだった。 ... » more
テーマ 不倫 初恋 嫉妬

  裏街  阿部 尚裏街56
56 一月もたつと香織の言ったように生徒は徐々に増えて十人を越えてきた。そうなると五郎も勢いづいて先生の呼称も板についてきた。当たり前のように先生と呼ばれ当然のように受け答えしていた。あたしは先生と呼ぶ事には抵抗を感じていて出来 ... » more
テーマ 不倫 初恋 嫉妬

  裏街  阿部 尚裏街55
55 月曜日が来るとあたしは矢も盾も堪らなくて料亭「小春」に行ってみた。午後の二時と五郎に聞いていたので二時を少し回った頃に小春についた。小春は堀切町にあって菖蒲園の近くだった。四つ木からも近くだったのであたしはゆっくり歩いて小 ... » more

  裏街  阿部 尚裏街53
53良く晴れた気持ちのよい朝だった。あたし達は京成電車に乗って柴又まで散歩に出かけることにした。昨夜の木枯らしが木の葉と共に空中の塵まで吹き払って呉れたと見えて澄み切った空が広がっていた。少し寒いがその寒さも肌に心地よくあたしと五郎 ... » more

  裏街  阿部 尚裏街51
51秋のおわりだったか冬の始まりだったかはっきりしないが木枯らしの強く吹く日だった。どうせこんな日は客も来ないと音楽も止めてあたしとママは吹き募る木枯らしの音を聞いていた。隙間風は入ってこなかったものの電線を振るわせる木枯らしの泣き ... » more
テーマ 不倫 初恋 嫉妬

  裏街  阿部 尚裏街49
49香織は鈴木五郎の売込みに熱心で何時の間にかファンクラブの代表に納まっていた。あたしにもファンクラブに入会してくれと言うのだった。「特典は何?」とあたしが訊くと五郎は何も無いですと寂しそうに笑うのだった。「その代わり売れるよう ... » more

  裏街  阿部 尚裏街48
48鈴木は時々「あかり」に現れた。大抵は一人で来た。一人で来て軽く飲んで大抵は直ぐに帰った。特に目立つ事も無く静かに座っていて静かに帰って行った。あたしは鈴木の存在に気づかない事さえあった。気がついてもあたしが他のお客とチークを踊っ ... » more
テーマ 不倫 初恋 嫉妬

僕も妻もお互いに心が疲れている何に対してか、たとえられないさみしさが心を満たしているふとしたきっかけで、それは出てきて、自分では同省もなくなってします。体も疲れがピークに立ってしている休みたい、寝 ... » more
テーマ 初恋 横浜 うつ病

  裏街  阿部 尚裏街47
47あかりは何度も改装を重ねて営業を続けていた。他のお店が入れ替わり立ちかわりして変わってゆくのに,変わらないのはあかりだけだった。「スナック長屋」の大家は建替えるからと言ってあかりに立ち退きを迫ったがあかりのママは頑として譲らず居 ... » more
テーマ 不貞 初恋

  裏街  阿部 尚裏街45
45そんな時に現れたのがあの男だった。あの男はあたし達の部屋に土足の侭で入ってきた。二人組みだった。「暫くぶりだなぁ,姉ちゃん」「おばさんでいいわよ」とあたしは言った。数年前に東十条のアパートを訪ねて来た闇金融の男だった。 ... » more

  裏街  阿部 尚裏街44
44丸八通りに近い北砂のアパートであたし達の生活は振り出しに戻った。あたしは相変わらずのバー勤めで安田は製壜会社でアルバイトだった。昔と何も変わらなかった。冬の寒い日にはコタツの中に二人で潜ってじっとしていた。ただ以前のように幸せな ... » more

  裏街  阿部 尚裏街43
43問題はその後から持ち上がった。「それで、その子の事なんですがね」と博美の父親が博一を見ながら言った。あたしははっとした。博一の事は何も考えていなかったからだった。「博一ちゃんといったかな。院長先生にも聞いてきたんだがね、 ... » more

  裏街  阿部 尚裏街42
42木の枝にしがみ付いていた枯葉が落ちるように博美はひっそりと息を引き取った。入院して僅か一週間の事だった。誰にも気付かれずにあの世へ行ってしまった。一言の言葉も残さなかった。看護婦が見つけたときには既に博美の生命は終わっていた。あ ... » more
テーマ 不倫 初恋 嫉妬

  裏街  阿部 尚裏街40
40男の子は博一と名づけられた。博美の長男だったからから博一だった。安田は面倒を恐れて認知しなかったので博美の私生児として籍に入れられた。人生の最初から可哀相なスタートだった。あたしは自分の子のように博一を可愛がった。哺乳瓶を洗い粉 ... » more

  裏街  阿部 尚裏街39
39博美の病状は見た目よりも悪いようだった。安田に聞いた話なのだが尿蛋白が出ていて血圧が大分上がっていると言う事だった。医者は血圧が下がらなければ血圧降下剤を投与しなければならないといっていた。するとおなかの子供に悪い影響が出る危険 ... » more

  裏街  阿部 尚裏街36
36その夜遅く、というよりも明け方に近い時間だったがあたしがアパートに帰ると安田と博美は一緒に寝ていた。二人は洋服を着ていたがあたしは皮肉を言うのを忘れなかった。「あら、又子作り?」「相談さ」と安田は言った。「何の悪企み ... » more
テーマ 不倫 初恋 嫉妬

  裏街  阿部 尚裏街35
35その年のみんみん蝉が鳴く頃面倒な問題が持ち上がった。「静」に行く時間になってもおみちゃんは二階から降りてこないのであたしは二階におみちゃんを迎えに行った。おみちゃんはテーブルに頬杖をついて電気もつけずに居た。「具合でも悪いの?」 ... » more
テーマ 不倫 初恋 嫉妬

  裏街  阿部 尚裏街34
34「でも、あたしの目の前でいちゃついたりしないでよ。あたしにだって焼餅を焼く権利くらいはあるはずよ」あたしが言うとおみちゃんは布団の中でにやついて言った。「こっそりなら良いと言う事?」「いいとは言わないわよ」「目を ... » more

  裏街  阿部 尚裏街33
33安田の一部の仕事は朝八時から始まって午後三時には終わる。三時から六時まであたしと安田は家にいる。六時からあたしはお店に出る。その頃おみちゃんが仕事から帰ってくる。おみちゃんはあたし達の部屋に来てあたし達と雑談を楽しんでいる。一緒 ... » more

  裏街  阿部 尚裏街32
32砂町の冠水以来あたし達とおみちゃんの仲は急速に深まっていった。おみちゃんは昼の勤めだったので夜勤めるあたしとはお店で会って話をする事が多かった。おみちゃんはお客として来るのだが気さくな性格でママとも仲良くなりお客とも親しくなって ... » more

  裏街  阿部 尚裏街30
30水嵩は次第に上がりあたしが膝を抱えている階段の下まで迫ってきた。あたしはもう四段上まで這い上がってそこで安田を待つ事にした。アパートに出入りする人は無く二階もひっそりとしていた。いったいみんなは何処へ行ってしまったんだろうとあた ... » more

 

最終更新日: 2018/05/19 05:45

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